みんなで「うーん」と考える。ニシヤマの「Best Matching」を支えるもの

みんなで「うーん」と考える。ニシヤマの「Best Matching」を支えるもの

「技術系商社」を自称するニシヤマ。「顧客の求めるものが世の中に無ければ、作ってでも届ける」という姿勢を貫き、顧客の信頼に応えて大きく成長してきました。どんな無茶な要求にも、決して「ノー」と言わない懐の深さの秘密は、「Best Matching」というキーワードにあります。この言葉の意味するところは何なのか。代表の西山正晃の話を通して、ニシヤマのユニークで前向きな社風の秘密に迫ります。

ニシヤマ・スピリット

ニシヤマはゴム製品の製造販売から始まった商社で、今年で創業107年目を迎えます。今ではゴム・プラスチック以外にも幅広い製品を取り扱っており、IT関係のご相談も承っております。電気・ガス・鉄道など、日本のインフラを支えているという自負と誇りを持って働いています。

107年前といえば大正時代。技術の大発展期です。日本国内で実用できる鋼鉄の生産量が増え、煉瓦がコンクリートに取って代わられつつありました。おかげでインフラ整備が進んだ時代でもあります。

鉄道路線や電線を全国に拡張していく。そうした土木工事の一部に機械が使われ始めていましたが、人力も欠かせません。作業員さんたちは、雨でも仕事に駆り出されます。そこで必要な雨合羽や長靴を販売したのが、会社のスタートです。当時のゴム製の合羽は重くて通気性も悪く、今よりずいぶん使い勝手が悪かったでしょうね。ともあれ現場のニーズは大きく、会社は成長していきました。

創業期から今まで、担当者が製品を納入するときなど、お客様とお話をする機会はたくさんあったはずです。雑談の合間に、「ニシヤマさん、おたくでは、草履は扱ってないの?」と聞かれることもあったかもしれません。そこで、もし「いや、うちはゴム製品しか扱ってないんですよ、すみません」「草履なら、A社さんがいいらしいですよ」なんて答えていたのであれば、今のニシヤマはないでしょう。

「ゴム製品しか扱っていない」はとても正直な回答ですし、今すぐ草履がほしいお客様にとって「A社がいい」はありがたい言葉なのかもしれません。でも、この答えは、本当にお客様のためになっているのでしょうか。

「草履ですか。どういう現場で使うものが欲しいんですか?」

「今使っているものには、何か不都合があるんですか?」

お客様だって、草履なら何でもいいわけではないでしょう。相手の話をよく聞き、ニーズをつかむ。ニシヤマで草履が作れるかどうかは、そのあとに考えればいいのです。 まずは、「できます」という姿勢を見せ、社内に持ち帰る。そして何とか工夫して、本当にニーズにマッチしたものをご提供する。これがニシヤマのスピリットであり、会社の中心にあるものだと考えております。

ニシヤマの知恵袋「営業技術部」とは?

弊社のユニークな点は、「営業技術部」という、商社には珍しいセクションを持っていることでしょうか。簡単に言うと、「付加価値を生むための技術提供をする部署」です。

一般に商社というのは、世界中から商品を「安く仕入れて、高く売る」のが仕事です。安く買えるところを見つけて、高く買ってくれる人に売る。そこで必要なのは「目利き」です。商品を見つける目と、買ってくれそうな人を見つける目ですね。

そうした商売がよろしくないとは申しませんが、これだけ情報が大量に流通する時代になると、「商品を見つける」ことのハードルはどんどん下がり、価格競争が生まれます。つまり、同じ商品なら、価格が安いところから仕入れた方がお得だと思われて、どんどん買いたたかれるようになってしまう。

それでは、会社は先細りです。私たちは価格競争による消耗戦を避けるために、商品に技術で付加価値を付け加えて販売することにしました。それほど大規模なビジネスではないけれど、競合のいないオンリーワンの道を選んだわけです。

「営業技術部」は、社内の各部門で生まれた技術をすべて把握しています。同時に世の中の最新動向もチェックしていて「あの会社で、こんな新しい技術が生まれたぞ」ということを、全部データとして蓄積しています。そして、お客様から持ち込まれる無理難題に応えられる解決策を探ってくれます。「営業技術部」はニシヤマの知恵袋なんですね。

どうにかして、お客様にBest Matchingした製品をお届けする

私たちと一緒に働くことを希望してくださる方には、必ずお伝えしていることがあります。うちに入社したら、「仕事のすべての工程を一人で担当する」と心得てほしい。もちろん、一人でやると言っても、いきなり最初から全部を丸投げはしませんし、周りの先輩たちも必要な協力は惜しみません。でも、営業は仕事を取ってくるだけ、開発は新商品を企画するだけ、製造は作るだけ、といった分業制度ではありません。

弊社は、商社でありながらファブレスメーカー(工場を持たないメーカー)のようなところもあります。

お客様にから「こんな商品が欲しいんだけど」とご相談を受けたら、まず条件に合うものを探します。探して見つからなければ、社内の技術を組み合わせて、ご要望にお応えできるものが作れないか検討します。それでも無理なら、社外のメーカーさんのご協力を仰いでニーズにあったものをイチから作り出す。製品の設計・製造を請け負ってくださる多数のメーカーさんと協業しているから、世の中にないオリジナル商品を作ることも可能なんです。これらを、基本的には担当者が自分で行います。

もちろん、もっと細かな仕事もあります。スペックや予算決定といった打ち合わせをしなければなりませんし、納期の調整など、丁々発止のやりとりも担当が行います。さらに、製品が完成したあとのアフターフォローやトラブル対応もすべてこなします。

全部一人で担当するのはとても大変な仕事ですが、達成感とやりがいは大いにあると思います。自分の采配一つで仕事の成否が決まるのですから。

こうした点から、社員に対して、職能上のエキスパートであることは、それほど求めていません。「営業の鬼」や「開発の神」はいらないんです。仕事をする上では、ジェネラリストであってほしい。

ただ、同時に「自分以上にこのお客様のことを知ってる人はいない」という、エキスパートであってほしいんです。そのお客様のご相談なら、どんな無理難題でも、実現可能な方法を考えるという姿勢を持ち続けていてほしい。「どうにかして、お客様にBest Matchingした製品をお届けしたい」と思ってほしいんですね。それがうちの企業価値なんです。

技術を全社で共有する「戦略会議」

社内の技術を共有するための場として、「営業技術部」主催の「技術戦略会議」というものがあります。

ミクロの半導体から、マクロのガス・電気インフラに関わる事業まで、社内には全く毛色の違う複数の事業部がありますが、他の事業部が何をしているのかよくわかりません。社内にどんな技術があるのかを、お互い把握できていない。

「戦略会議」にはすべての事業部長と次長が出席し、他の事業部の取り組みを聞く機会になっています。普段は縦にしか情報が流れないところを、横にも流す仕組みですね。お互いに他部門の技術や知識を知ることで、事業部を越えた連携が生まれます。

例えば、以前こんなことがありました。

「鉄道車両システム事業部」が、お客様から「列車の運転台に冷房をつけてほしい」とオーダーをいただいてきました。ところが、特に特急電車というのは、機能的なデザイン重視で設計されており、運転台に大きな空調装置を置くだけのスペースがないわけです。運転席はよく日も当たるから、運転手さんは暑いですよね。クーラーは絶対欲しい。これは困った。ニシヤマ、何とかしてくれ。ということで、うちにお声がけいただいたんです。

もちろんそんな商品を作るメーカーさんを知っているわけではありません。どうしたらいいのかと頭を抱えていたところ、電子制御システム事業部が半導体の製作工程に欠かせない温度制御装置を作っていることが、戦略会議で共有されました。温度制御装置というのは、0度からマイナス70度までの超低温環境を作ることができます。ものすごく大きい機械ですが、電車の運転台は狭いし、そこまで冷やす必要はありません。

この技術を応用することで、小さくても冷却効果の高いエアコンが作れるのではないかと考えて、実現できてしまいました。その上、正直、破格のお値段です。大手の空調機メーカーが同様の商品を開発したら、おそらく、億単位の予算が必要になるでしょう。

お客様も本当に必要なものが手に入ってハッピー、うちもお役に立ててハッピー。これが、Best Matchingです。社員のみなさんには、いつもここを目指して仕事をしてほしいと思っています。

みんなで「うーん」と悩んで、道を作る

私は、仕事とは「聞く」ところから始まると思っています。お客様のおっしゃることを真摯に聞く。ただの雑談であっても、そこに仕事のタネがあるかもしれない。途中で遮ったり、反論したりせず、最後までお話を伺いながら、「何が言いたいのか」「何に困っているのか」「それをどう解決したいのか」を自分なりに理解する。わからなければ、わかるまで聞き返すんです。

ときには、怒られることもあるかもしれません。全部の仕事を一人で担当する上で、どうしてもお客様に謝りに行かないといけないこともあります。嫌ですよね。誰だって一生懸命やったことがうまくいかないのはしんどいし、それでお客様を怒らせるのはつらいことだと思います。

でも、怒っているお客様は「ここがダメだ」と教えてくれているんです。よく聞けば「もっとこうしてほしい」ということがわかり、解決の糸口もつかめるはずなんです。怒られるのも悪いことばかりじゃありません。普段から素直に耳を傾けることを心がけて、お客様との関係作りを行ってほしいと思います。

そうして、お客様の「こうしてほしい」がわかったら、断らないことです。その場で「NO」とは絶対に言わない。必ず、いったん会社に持ち帰って考える。一人で考えて答えが出なければ、同僚も先輩もマネージャーもいます。「こんなの作ってほしいって言われたんだけど、どうしましょう」と話してみる。それでみんなで「うーん」と考える。

みんな同じように壁にぶつかった経験をしてきているので、一緒に悩んでくれます。「その技術なら、○○さんに聞けばいいよ」「うちでは難しいけど、あの会社だったらできるんじゃないかな。詳しい人に来てもらって勉強会をやろうか」。なにかしら解決に近づくためのアドバイスをくれます。そこから、解決策が見えてきます。

私は、お客様から「困ったらニシヤマに相談してみよう」と、最初に思い出していただける会社を目指しています。ファーストコールをいただけるということは、「ニシヤマなら何とかしてくれる」と信頼されている証です。お客様にとっての「Best Matching」を叶え、一番に頼られる会社を作っていきます。

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