ノーリツ×ニシヤマがつくる地域特性を生かした新ビジネス ~ため池を活用した太陽光発電で再エネ促進~

ノーリツ×ニシヤマがつくる地域特性を生かした新ビジネス ~ため池を活用した太陽光発電で再エネ促進~

再生可能エネルギーの一つ、クリーンエネルギーとしての代表格とも言える太陽光発電。ニシヤマはこれまで、さまざまな企業に対して、太陽光発電のためのソーラーパネルや、パワーコンディショナーといった部材を納品してきました。

そのノウハウをもって、2015年より株式会社ノーリツへ太陽光発電に必要な部材を提供し、兵庫県の「ため池」を活用した水上の太陽光発電所の拡大を進めています。

ノーリツで太陽光発電を担当する伊豆田孝勝さん、ニシヤマ明石営業所の大平達典さん、営業本部ITソリューショングループの二井田豊さんに、水上太陽光発電所設置の狙いや稼働までのストーリーを聞きました。


NORITZ

株式会社ノーリツ

国内事業統括本部 戦略事業本部 ソリューション推進部 産業用PVチーム

リーダー 伊豆田 孝勝さん

NORITZ

株式会社ニシヤマ

明石営業所 大平 達典

NORITZ

株式会社ニシヤマ

営業本部 ITソリューショングループ 二井田 豊


半世紀以上の取引が信頼の証

ノーリツ様の事業について教えてください。

伊豆田さん 兵庫県神戸市に本社を置き、温水空調分野を中心とした住宅設備機器の製造、販売、サービス事業を主力としています。現在、ガスと電気を併用し、効率よくお湯をつくる「ハイブリッド給湯暖房システム」の販売に注力しています。ハイブリッド給湯暖房システムは、従来の給湯器と比べ、大幅に光熱費を抑えられるのがポイントです。

キッチンコンロは子会社の「ハーマン」ブランドをノーリツブランドに統一して、販路拡大を目指しています。海外展開にも力を入れていて北米、中国、オーストラリアなど、世界16か国以上で事業を展開しています。営業所があります。また、新規事業ではホテルや大型工場向けの大型給湯器にも力を入れています。

ニシヤマ様とはいつからビジネスをスタートしたのでしょうか。

伊豆田さん 会社同士で言えばかれこれ50年以上ご一緒していて、多くの取引をさせていただいています。給湯器では樹脂やゴムといった部材でお世話になってきました。私個人ということでお話しますと、ニシヤマさんとのお付き合いは太陽光発電の部門に所属になった7年ほど前からです。

ノーリツでは、過去に家庭用のソーラーパネルを展開していました。その分野からは2015年に撤退しましたが、ソーラーパネル導入当初から、ニシヤマ明石営業所の皆さんには本当にお世話になりました。

私たちは当時ご購入いただいたお客様へも、アフターサービスを提供しなければならないという考えから、太陽光発電のノウハウを持ち続けています。そのノウハウを持つ部門で、太陽光発電の建設ビジネスを進めています。大平さんと二井田さんにはITを含めたセットアップなど丁寧に対応いただき助かっています。

基本的に在庫を持たないビジネスで、お客様から注文を受けてから商品を作ります。「必要なものを必要な時に必要なだけつくる」仕組みは、トヨタのかんばん方式が有名ですけれど、ノーリツも同じです。この体制が組めるのは、ニシヤマさんをはじめ部材調達を支えていただいている協力企業様のおかげです。

NORITZ

ため池を利用した発電所建設で新ビジネスを展開

ため池は農業用水を確保するイメージが強く、太陽光発電所という発想に驚きました。どんな経緯や狙いがあるのでしょうか。

伊豆田さん ノーリツでは兵庫県内16カ所のため池を活用して、太陽光発電所を建設しています。県内のため池は約2万2千カ所(2022年12月時点)と全国一です。

おっしゃるように、ため池は降水量が少なく大きな河川から遠い地域で、農業用水を確保するための役割として存在しています。一方で、地域の集落や自治体などによって管理されていますが、過疎や高齢化で管理が難しくなっている地域もあります。

ため池などの水上に太陽光発電を作れば、森林伐採や土地造成などが不要で、自然にダメージを与えにくいメリットがあります。発電事業者と所有者や管理者がつながり、地域の活性化につながればよいと考えています。

例えば2018年に稼働した、兵庫県小野市にある発電所の年間発電量は約135万kWhです。これは一般家庭の約375世帯分に相当します。CO2の削減効果は年間約650トンです。ここから発電された電力は、基本的に電力会社に買い取っていただいています。私たちは、発電事業を通して、地域の農家様や自治体の皆さんに価値を共有したいと考えております。

ニシヤマ様からはどのような部材を調達しているのでしょうか。

伊豆田さん 私たちが建設し、ニシヤマさんから部材を調達しています。具体的には、太陽光パネルやパネルを支えるフロート架台、電気を直流から交流に変えるパワーコンディショナーや変圧器です。太陽光発電に必要な資材のうち実に6、7割をニシヤマさんから調達していますから、かなり大きな割合を占めています

部材調達の長年のノウハウが、安心と信頼につながる

設置工事で苦労されたことはどのようなことでしょうか。

伊豆田さん ため池の周囲には大型トラックが入りにくい場合が多いです。2トントラックのような比較的小さなトラックで資材を搬入するとなると、1回の搬入量が限られます。そのためメーカーさんと細かい交渉が必要になってきます。ニシヤマさんは毎回の工事で、日付や天候も踏まえながらメーカーさんと調整し、過不足なく部材を運んでいただけるので、非常に助かっています。

大平 5年ほど前、太陽光発電が建設された後に、兵庫県が非常に大きな台風の被害を受けたことがありました。一日も早く再稼働させるため、スピーディーに復旧させる必要がありました。水に浸かってしまうと感電の恐れがあり、とても危険な状態でした。何とか部材を調達して1.5カ月ほどで復旧させました。

伊豆田さん あの時は本当に助けていただきました。

ノーリツ様から見てニシヤマ様はどんな会社でしょうか。

伊豆田さん ニシヤマさんは、中国の部品メーカーの製造現場を現地まで見に行くなど、製造の段階からしっかり見てくれて、調達力にもノウハウがあります。部材を買う側である私たちから見ると、ニシヤマさんの調達力は非常に心強いですし、アフターフォローも確実にしてくださるので、安心してお願いできます。

二井田 ノーリツ様のため池を利用した太陽光発電所は、地元企業として地域に貢献したいという考えもあるかと思います。私たちは商社という事業構造上、なかなか地域との結びつきを知る機会が少ないですが、ノーリツ様への部材調達を通して、共に地域社会への貢献を実感できています。

伊豆田さん ノーリツはメーカーなので、お客様から評価いただくのは製品です。商社のニシヤマさんから多様な部材を即座に納入していただけるからこそのものだと思います。

また、再生可能エネルギーはますます重要なテーマになってくると思います。次の段階として、ため池を活用した太陽光発電のノウハウの展開の仕方を考えていきます。

ありがとうございます。今後、社会にどのような価値を提供していきたいと考えていますか。

伊豆田さん 給湯機はもちろん、太陽光発電でもニシヤマさんには本当に助けられています。甘えすぎないように(笑)、Win・Winの関係でビジネスを続けたいですね。太陽光発電は建設してからもメンテナンスが必要ですし、売ったお客様に対してはフォローを続けなければなりません。そういった意味でもニシヤマ様と共に、お客様に変わらぬ価値を提供し続けたいと思っています。

大平 温室効果ガスを排出しない太陽光発電ということ、ため池を利用した地域貢献事業ということで、大きな意義があると思います。これからも信念を持ってお互いに情報交換をしながらビジネスを進めていきたいと思います。

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